経動脈的微細血管塞栓術(TAME)は、カテーテルを使ったに新しい低侵襲な運動器カテーテル治療法です。

奈良県立医科大学附属病院 整形外科・四肢外傷センター/放射線・核医学科・IVRセンター運動器疼痛(モヤモヤ血管)に対するカテーテル治療

治療方法・費用

治療方法:経動脈的微細血管塞栓術(Transcatheter arterial micro embolization:TAME)

運動器カテーテル治療は、足の付け根(鼡径部)や手首から、カテーテルという太さ0.6mmほどの「くだ」を血管の中に挿入し、治療を行います。全身麻酔は必要なく、 挿入箇所の局所麻酔のみで行う2時間ほどの治療です。

治療としては、痛みの原因である「もやもや血管」の近くまでカテーテルを近づけ、「もやもや血管」を減らす(詰める)薬剤をカテーテルから投与します。投与後より痛みが減る方もいれば、数ヶ月かけてゆっくりと痛みが無くなっていく方もいます。この時使用する薬剤はイミペネム・シラスタチンというものを使います。

この、イミペネム・シラスタチンは日本では20年以上前から抗生物質として認可、使用されています。もともとは細菌に対して効果のあるこの薬剤ですが、ある特徴からこの薬が「もやもや血管」を詰めるのに効果的と考えられています。それは「水に溶けにくい」というものです。少量の水の中では溶けきらず、微小な粒子となります。この粒子の大きさが「もやもや血管」のサイズに適しているため、治療に用いられています。粒子は次第に溶けていきますが、「もやもや血管」は通常の血管と違い、脆い血管ですので一時的に詰めるだけで十分減らすことができます。また、万が一正常な血管に薬が流れてしまっても、その特徴から体の組織に影響を与える可能性が非常に低く、安全性の高い治療と言えます。

治療費用について

治療費は自費診療となります。
非常に効果が期待できる治療ですが、国内ではまだ保険診療と認められておりません。
そのため費用は自己負担となります。
詳細は担当医にご確認ください。