大動脈瘤

大動脈瘤

大動脈瘤とは

「大動脈瘤」とは大動脈自体が拡張してコブ状に広がったもので、「大動脈の一部の壁が、全周性、または局所性に拡大または突出した状態」と定義されます。
一般的には直径が正常径1.5倍(胸部で45mm,腹部 で30mm)を超えて拡大した場合に大動脈瘤と呼ばれます。
瘤が発生した部位により、上記図のように名称が変わります。サイズの増大に伴い、破裂率が上昇する為、サイズの大きな動脈瘤には’破裂予防の’治療が必要となります。

ステントグラフト内挿術

大動脈瘤の破裂を予防する為に行われる手術の事で、IVR(Interventional Radiology; 画像下治療)の一種です。
ステントグラフトとは、ステント(金属の網)で支えられたグラフト(人工血管)の事を指します。
上図のように、健常血管から健常血管へ、動脈瘤をまたぐようにしてステントグラフトを留置することで、動脈瘤への血流を遮断することができます。結果として破裂の予防が可能となります。
日本では関連11学会からなるステントグラフト実施基準委員会で、厳格に管理されており、認定を受けないと治療を行うことができません。当院では、胸部大動脈瘤治療、腹部大動脈治療いずれにおいても指導医が在籍しており、高度なIVRを提供することが可能です。

腹部大動脈瘤症例

図1、術前、血管造影;拡張した腹部大動脈瘤が描出されている。
図2、術後、血管造影;ステントグラフト内腔のみ描出され、腹部動脈瘤の描出が消失していることが確認される。
図3、術前CT;腹部大動脈瘤が描出されています。
図4、術後CT;腹部大動脈瘤は描出されず、動脈瘤への血流の漏れ(エンドリークと呼びます)がないことも確認できます。

胸部大動脈瘤症例

図1、術前、血管造影;
拡張した胸部大動脈瘤(矢印)が描出されている。
図2、術後、血管造影;
ステントグラフト内腔のみ描出され、胸部腹部動脈瘤の描出が消失(矢印)していることが確認される。
図3、術前CT;胸部大動脈瘤が描出される。
図4、術後CT;胸部大動脈瘤は描出されず、左鎖骨下動脈、左総頚動脈にはバイパスが作成されている。

●専門外来

吉川 公彦 医師

市橋 成夫 医師

岩越 真一 医師