脳動脈瘤

脳動脈瘤

脳動脈瘤とは?

脳内の血管(特に血管分岐部)の一部が膨らんで瘤状になったものを脳動脈瘤といいます。破れていない(出血していない)ものを未破裂脳動脈瘤と呼び、何らかの原因で動脈瘤が破れた(くも膜下出血を起こした)ものを破裂脳動脈瘤と呼びます。
脳動脈瘤が破裂してくも膜下出血をきたした場合には、重篤な脳の後遺症や生命の危険性が高く、破裂を防止する処置が必要となります。くも膜下出血を起こす原因のほとんどが脳動脈瘤の破裂によるものです。

検査

最近では、脳ドックなどのMRA検査で未破裂脳動脈瘤が偶然に見つかることが多くなりました。引き続きさらに詳しく調べるために、MRAや脳血管撮影検査などが行われます。
くも膜下出血の検査では、最も診断に役立つのは頭部CT検査です。 CTでくも膜下出血が認められた場合、引き続き出血源の確認のためにCTAやMRA、脳血管撮影検査などが行われます。

治療方法

脳動脈瘤の治療には大きく二つの方法があり、一つは外科的開頭手術(クリッピング術)で、もうひとつは動脈瘤内にプラチナ製のコイルを詰めて動脈瘤を閉塞する方法でコイル塞栓術(脳血管内手術)と呼ばれます。
脳動脈瘤コイル塞栓術は「切らない脳動脈瘤治療」として最近注目を浴びており、患者さんの体にやさしい治療です。一般にコイル塞栓術の適応となると考えられるのは、脳の深部や頭蓋骨底部に脳動脈瘤があり、手術が困難または治療リスクが高いと考えられる場合、全身状態不良や高齢などの理由で手術や麻酔のリスクが高いと考えられる場合、患者さんが血管内治療を希望される場合などです。当院では脳動脈瘤コイル塞栓術術の症例も年々増加し、こちらも年間40-50例程度を行っています。

脳動脈瘤に対する脳血管内治療

治療法はまず足の付け根から管(カテーテル)を入れ、その中にさらに細い管(マイクロカテーテル)を挿入し、動脈瘤の中まで誘導します。その後、プラチナ製の柔らかい金属のコイルを動脈瘤の中に送り込んで瘤の内部をつめ、コイルを切り離して置いてきます。コイルは動脈瘤の大きさにより何本も必要とされます。最終的に動脈瘤内が完全に詰まったのを確認した後、カテーテルを抜去し、手技を終了します。脳動脈瘤コイル塞栓術においては動脈瘤のネック(入り口)の広さが治療の難易度に大きく関わり、ネックが狭い程、治療が安全かつ完全にできます。しかし最近ではバルーンカテーテルやステントを併用することで、従来は治療が難しかったネックの広い動脈瘤もある程度うまく治療できるようになりました。
コイル塞栓術では、時間がたつと瘤内に詰めたコイルが少しだけ縮小して隙間ができ、破裂予防効果が不十分になってしまう場合があります。このため定期的に画像検査(脳血管造影検査やMRA)を行い、治療効果が十分かどうかを慎重に経過観察してゆく必要があります。
当院では脳神経外科との協力のもと、治療を行なっております。治療を受けるかどうかは、担当医とよく相談し、治療の限界や危険性についても十分に納得された上で決めて下さい。

症例

破裂脳底動脈瘤 バルーンカテーテル併用コイル塞栓術

治療前

バルーンカテーテル併用コイル塞栓術

治療後

●専門外来

明珍 薫 医師