AIRP研修を受講して 太地良佑(平成24年入局)
2018.6.15|留学報告

当教室で諸先輩方がAIRP(American Institute for Radiologic Pathology)のFour-week Radiologic Pathology Correlation Courseを受講されており、とても良かったという体験談をお聞きしており、かねてから興味がありました。また、高濱先生からもおすすめいただき2017年9月11日より10月6日の4週間にわたり参加しました。AIRPはACR(American Congress of Radiology)を母体とする組織で、Four-week Radiologic Pathology Correlation Courseは年に5回開催されます。私が参加したのは9月中旬からでしたが、10月になっても爽やかな陽気が続きすごしやすかったのを覚えています。会場はWashington D.C.の中心から電車で20分ほど北上したSilver Springという街のAFI Silver Theaterという映画館で行われます。参加前よりシラバスとスケジュールが配布され確認することができます。出発前にシラバスを一読しておこうと意気込んでいましたが、到底チェックしきれるものでなく、とてもハイボリュームな内容でした。基本的に教育講演が続きます。日本でいうところのミッドサマーセミナーや秋季臨床大会の教育講演を想像してもらえばわかりやすいかと思います。スライドは病理組織やシェーマも多用されており、わかりやすく構成されています。神経、頭頸部、胸部、乳腺、心血管、消化器、泌尿生殖器、骨軟部、小児、核医学の10つの領域に分かれており、順序はバラバラで行われます。クイズ形式のものもあり、飽きさせない工夫が凝らされています。ただ、スライドの内容は何となくわかるものの、ジョークに関しては「さっぱりわからん」という感じでした。モダリティはCT,MRIだけでなく超音波や単純写真、核医学など偏りなく行われました。1コマ45分の講義が朝8時から始まり、お昼休み1時間を挟んで夕方4時~5時頃まで続きます。合計すると約200コマほどに及びます。

 

Silver Springは比較的治安がよく、商店街も多く日用品や食料調達にも不便しませんでした。コース中に何回か“Happy hour”というpartyがあります。講義終了後に講師の先生や他の受講生と親睦を深めることができます。受講生はアメリカのみならず、中南米やヨーロッパ、アジア系の先生もいました。日本人で1人、聖マリアンナ医科大学から参加されている先生にも出会いました。その先生と他国の受講生とHappy hourに参加したりしました。とても楽しい4週間となりました。このような機会を与えてくださった吉川教授をはじめ諸先生方に感謝申し上げます。

 

 

・新入局を考えてくれる人へ

 

生の英語講義を受けられ、全世界から集まる同年代の放射線科医と交流ができます。また純粋に医学、放射線医学に再度向き合いことができ、普段の業務に対してもよりモチベーションが上がります。今回は専門医取得直後でもあり、とてもよい時期に快く送り出してもらえたと考えています。奈良医大放射線科に入局していただき、ぜひこのFour-week Radiologic Pathology Correlation Courseを受講されることをお勧めします。

 

 

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